まずタイトル曲が素晴らしい。
軽快にスキップを踏むような幹事のテーマが印象的。
あまりに絶妙なテンポなので、そのすぐ後に出てくる
キャノンボール・アダレイのソロも頭に刻み込まれている。
まるで計算されているかのように鮮やかだ。
だからなのか、先日「マイルス~コルトレーン・ザ・コンプリート・コロンビア・レコーディングス」収録の別テイクに友達の
家で出会ったが、どことなく違和感を感じた。 それはさておき、本アルバムはマイルス・デイヴィスがハードバップなる
ジャンルの縁ぎりぎりのところまで迫ったアルバムである。
「シッズ・ア・ヘッド」を聴いてみよう。
マイルス・デイヴィスの後ろでは全くピアノの音が聴こえない。
そして、このたどたどしいピアノ・ソロ。
これはマイルス・デイヴィスがレッド・ガーランドにピアノを弾くなと
頼んだわけではない。 ちょっとしたトラブルがあって、レッド・ガーランドが
先に帰ってしまったため、仕方なくマイルス・デイヴィスが
自分のソロ以外でピアノを弾いているのだ。
しかしこの響きが稚拙ながら新しいのだ。
ここが問題である。 これをもってマイルス・デイヴィスと
レッド・ガーランドの『蜜月』は終わる。
マイルス・デイヴィスが求めたものは
ハードバップと言う枠を超えたサウンドだった。
その答えは『カインド・オブ・ブルー+1』にある。
マイルストーンズ/マイルス・デイヴィス 視聴無
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ジャズアルバム紹介 マイルストーンズ/マイルス・デイヴィスに加筆・修正を加え転載
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